最大75%助成!リスキリング支援コースで実現する中小企業のDX・GX人材育成
2025.4.1

今、中小企業を取り巻く環境が劇的に変化しています。DXの波、GXへの転換、深刻な人手不足——多くの経営者が「このままでは競争力を維持できない」「研修費用が心配」「何から始めればいいか分からない」という危機感を抱いているのではないでしょうか。
この激動の時代、企業の生命線となるのが従業員の「リスキリング」です。既存人材に新しいスキルを身につけてもらい、限られたリソースで持続的成長を実現する。そんな経営戦略を国が全力でバックアップするのが、厚生労働省の「事業展開等リスキリング支援コース」です。
中小企業なら訓練費用の最大75%が助成され、研修期間中の賃金も1時間あたり1,000円をサポートします。本記事では、この画期的な制度の仕組みから活用方法、申請のポイントまで、経営者の皆様が実際の投資判断に活用できる実践的な情報をお届けします。
事業展開等リスキリング支援コース
~企業変革を支える国の本気度~
令和5年度スタートの戦略的支援制度
「事業展開等リスキリング支援コース」は、国が企業の大胆な変革を後押しする戦略的支援策です。従来の研修助成金とは異なり、新規事業・DX・GXといった攻めの経営転換と人材育成を一体でサポートします。
具体的なサポート内容
訓練費用の最大75%を国が負担(中小企業)
研修期間中の従業員給与も一部助成
OFF-JT(専門訓練)が対象
対象となる「事業展開」の定義
3つの基本パターン
新分野への挑戦:新製品・新サービス・未開拓市場への進出
事業の大胆な転換:業種変更・事業軸足の移転
既存事業の革新:製造方法・サービス提供方法の抜本的変更
DX・GXも「事業展開」として認定
DX化の例:ITツール導入、業務自動化、アプリ開発
GX化の例:ドローン活用、再生可能エネルギー導入
重要な実施時期の条件
これから実施:訓練開始日から3年以内に実施予定
最近実施:訓練開始日から6か月以内に実施済み
具体的なスケジュールが決まっている取り組みが対象です。
助成内容の全体像
中小企業への優遇措置
中小企業に対しては、大企業と比較して格段に手厚い助成が用意されています。
企業規模 | 基本コース | DXリスキリング | 賃金助成 |
中小企業 | 60% | 75% | 1,000円/時 |
大企業 | 45% | 60% | 500円/時 |
経費助成の上限
経費助成は、1人1訓練あたり、訓練時間に応じて上限額が定められています 。
研修時間 | 上限額 | 想定される研修例 |
10〜100時間未満 | 30万円 | 基礎的なDX研修 |
100〜200時間未満 | 40万円 | 専門技術習得コース |
200時間以上 | 50万円 | 高度な専門資格取得 |
賃金助成の時間制限
基本:1人1訓練あたり最大1,200時間
専門実践教育訓練:最大1,600時間
年間1億円という圧倒的な上限額
1つの事業所が1年度に受けられる助成金の総額です。大規模な人材育成プロジェクト(全社DX化、新事業部門立ち上げ、グリーン事業転換)も実現可能です。
研修プランの要件
研修プランは以下の3つの要件を満たす必要があります。
条件①訓練時間のクリア基準
最低10時間以上の実質的な研修が必要
対象:実際の講義・演習・実習時間
対象外:移動時間、休憩時間、懇親会など
条件②訓練形式の適合性
OFF-JT方式が絶対条件(通常業務と明確に区別された学習専用時間)
対象:社内研修(外部講師招聘)、外部研修、オンライン研修、通信教育
対象外:日常業務中の指導(OJT)、業務の一環としての会議
条件③訓練内容の妥当性
以下の2つを同時に満たすことが必要
業務関連性:従業員の職務に直接関連した専門的内容
事業展開対応:新規事業・DX・GXに必要な知識・技能の習得が目的
事業主・従業員の要件
事業主(企業)と労働者(従業員)それぞれが一定の要件を満たす必要があります。
事業主(企業)側の主要条件
雇用保険適用事業所であること
事業内職業能力開発計画の策定・周知
職業能力開発推進者の選任
「事業展開等実施計画」の作成(最重要!)
訓練期間中の適正な賃金支払い
欠格要件に該当しないこと
労働者(従業員)側の主要条件
雇用保険被保険者であること
出席率8割以上の維持
年間受講制限の遵守(1人あたり年度内3回まで)
助成対象経費
以下の費用が助成対象となります。
社内研修(事業内訓練)
外部講師への謝金・手当(実研修時間1時間あたり3万円上限)
講師の交通費
研修会場のレンタル料
機材・設備のレンタル費用
外部研修(事業外訓練)
受講料
入学料
教材費
賃金助成
OFF-JT形式、所定労働時間内での研修
助成額:1人1時間あたり1,000円(中小企業)
【まとめ】変革への投資が企業の未来を決める
この制度の最大の魅力は、経費助成75%という破格の支援率にあります。研修費用の大部分を国がカバーすることで、企業の投資リスクを大幅に軽減できます。さらに研修期間中の賃金も1時間あたり1,000円の助成を受けられるため、人件費負担の心配も解消されます。
制度を最大限活用するためには、自社の事業展開ビジョンと人材育成計画を明確に連動させることが重要です。その上で、助成金の条件を満たす研修プログラムを設計し、適切なタイミングでの申請を進めていく必要があります。
今すぐ取り組むべきは、自社の事業展開計画を具体化し、厚生労働省の公式サイトで最新情報を確認することです。申請手続きの複雑さを考慮すれば、社会保険労務士などの専門家への相談も検討する価値があるでしょう。変化の激しい時代だからこそ、国の支援を活用した戦略的なリスキリング投資が、企業の未来を大きく左右します。
この記事を書いた人
宮下雄
フリグラム株式会社 代表取締役
“自然と成果が出る仕組みづくり”をテーマに、フリグラムを2022年に創業。現場の一次情報を大切に、細部までこだわった設計で“使いやすさ”と“成果”を両立した業務改善システムを開発しています。


